
設備・医療機器
合志病院では、患者様にいち早く回復していただけるよう最新の設備・医療機器を導入しております。
また、それら医療機器のおかげで、これまでなら診療が難しいような症状においても、適切な治療が行えるようになりました。
こちらでは、当院の設備・医療機器についてご説明いたします。
CT|MRI|血管造影検査 ( DSA装置 ) |X 線透視検査|内視鏡システム| 超音波検査装置|血圧脈波検査装置|重心動揺計
CT

TOSHIBA社 マルチスライスCT
CT とは、コンピュ−ターによって解析 ・ 画像処理し、人体の内部構造を輪切り断層像として観察します。
当院ではマルチスライス CT を導入しています。
このマルチスライス CT は断面を同時に撮影することが可能なため、広範囲を精密に写し出せます。この特長を生かし、今まで撮影不可能であった血管などを詳細かつ高速に写し出すことが可能になりました。
これにより、息止め時間の短縮、放射線被爆の大幅減少など患者さんへの負担が大幅に軽減されます。また、通常の断層画像及び3D処理画像がより精密な撮影が可能になり、診断能力が向上しています。
特徴
CT 検査装置では、骨の構造だけではなく軟部組織も明瞭に観察することが可能です。
また、造影 CT 検査ではより詳しく検査部位の構造や機能の検査をすることができます。画像処理の応用によって目的部位を多方向から立体的に観察できる 3DCT という方法もあり、複雑な形状の構造 ( 血管など ) を正確に把握し、診断を容易にしたり、手術計画のシミュレーションや術後の評価などにも利用されています。
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MRI

PHILIPS社 1.5テスラMRI
MRI とは Magnetic Resonance Imaging の略名で、日本語では磁気共鳴画像と呼ばれています。
MRI は磁気と電波を用いた断層画像法のことで、レントゲン等と違い、放射線被爆がなく、あらゆる断面の鮮明な画像を得ることが可能です。
MRI 自体は大きな磁石のようなもので、その磁気と電波を利用して画像情報を得ています。画像情報は、人体の約 70 〜 80% を構成する体内の水 ( 正確には水素 ) が対象です。身体の各組織によって水を含む率は微妙に異なり、この差を鋭敏に反映することで、MRIは画像を
描写します。
特徴

MRI は放射線被爆などの害がないことが大きな特徴です。
また、MRA ( MRAngiography ) というシーケンスを用いて、造影剤を使用することなく血管の状態を観察することが可能です。
CT と比べても、組織の描写コントラストが格段に良く、各組織固有の情報を正確に把握することが可能となります。
血管造影検査 ( DSA 検査 )
DSA とは、( degitar subtraction angiography ) デジタル ・ サブトラクション ・ アンギオグラフィーの略で血管造影 ( アンギオグラフィー ) の際、造影剤を注入する前と後の X 線画像をコンピュータ解析して、造影剤を入れた血管の画像のみ描出する血管造影検査です。
当院に今回新規導入された DSA 装置は、島津製作所製 BRANSIST SAFIRE で、新世代の X 線検出器である直接変換方式フラットパネルディテクタ ( FPD ) 搭載のバイプレーンシステムで、装置の外観は様々な角度に回転できる C アームが2つあり、それぞれに X 線を発生する X 線管球と、発生した X 線を受け取り画像化するフラットパネルディテクタ ( FPD ) の検出器が搭載されており、従来よりも X 線管球部と検出器がコンパクトになっています。このバイプレーンシステムは 1 回の造影剤の注入で同時に 2 方向 ( 正面 ・ 側面など ) の血管造影が可能で、造影剤使用量軽減、検査時間短縮による被爆の低減を実現しました。この DSA 装置には、多数の画像モニターがあり、通常の透視や以前の参照画像、ロードッマップ画像などを同時に観察することが可能です。直接変換方式画像フラットパネルディテクタ ( FPD ) による超高精細リアルタイム DSA が可能になり、頭部アンギオだけでなく、腹部、下肢静脈アンギオも明瞭に描出することができ、特に近年増加している IVR の際には力を発揮するシステムであります。IVR とは ( interventional radiology ) インターベンショナル・ラジオロジーの略で、画像診断装置( 透視・DSA 装置 ) 利用して、カテーテルやガイドワイヤーなどの器具を目的部位に到達させ、外科的治療と同等あるいはそれ以上の効果をメスなどで大きな切開を加えることなく、低侵襲に行う治療を総称したもので、当院では、脳動脈瘤へのコイル塞栓術、頸動脈ステント留置術がよく行われる IVR である。またこの DSA 装置では、X 線管球とフラットパネルディテクタ ( FPD ) の検出器が搭載された C アームが CT のように回転しながら、造影剤を注入し血管造影することによって、血管走行を立体的に描出する 3D アンギオグラフィーが可能になり、任意の方向より血管走行の観察ができ、より詳しく病態を把握することができるようになりました。
このように今回新規導入された DSA 装置は、理想的な高画質デジタル画像を実現するシステムであり、リアルタイムの診断、病変の認識能向上による検査時間短縮 ・ 被爆の低減などで患者さんのメリット向上に貢献するシステムであります。
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X 線透視検査

X 線透視検査とは、通常では見ることができない体内を、X 線を連続的に発生させ、その透視像を TV 装置で観察し、体内の状態を把握するための検査です。
検査の種類には様々なものがあり、バリウムなどの造影剤を用いた食道 ・ 胃 ・ 小腸 ・ 大腸など消化管疾患に対する検査、VF ( 嚥下造影 ) 、内視鏡などを用いた ERCP ( 逆行性胆管膵管造影法 ) や PTCD ( 経皮経肝胆管ドレナージ ) など胆嚢や膵臓疾患に対する検査や治療、イレウス管挿入造影、瘻孔造影、PEG ( 胃瘻造影 ) 、また透視画像を用いて骨折や脱臼などの整復術を行ったり、体内に入った異物の除去、頭部のバルブ圧の設定、脊髄腔の検査も行っています。
当院に今回新規導入された X 線透視装置は、島津製作所製 FLEXAVISION で、高画質フルデジタルシステムの X 線透視装置で、上記の様々な検査に対応できるように、検査時の寝台のスピーディーな動き、検査領域を確実にとらえるワイドな視野、被爆量を低減した患者さんにやさしいシステム設計を装備した装置となっています。
内視鏡システム
内視鏡検査(OLYMPUS EVES LUCELA)
消化管内視鏡検査とは、先端にCCDカメラのついた細い管を用いて消化管の内部を直接観察する検査です。病変があれば、その部分の粘膜を採取し顕微鏡検査に提出して確定診断をつけることができます。
また、NBI(狭帯域光観察)により、粘膜表層の毛細血管、粘膜微細模様の強調画像を得ることができ、小さな病変部分を早期に発見することが可能です。
さらに、早期の癌であれば内視鏡的に切除することができるなど、内視鏡的治療の幅は広がってきています。
●上部消化管内視鏡検査(食道・胃・十二指腸内視鏡検査)

直径9〜12mmのスコープを口から挿入し、咽頭、食道、胃、十二指腸の内部の壁を観察します。これにより、炎症、潰瘍、ポリープ、癌、静脈瘤の診断をし、治療も可能です。
早期の癌であれば内視鏡による治療可能な症例が増えてきています。
当院では楽に検査を受けていただけるよう、鎮静剤を使用しての内視鏡検査を行っております。症状の有無にかかわらず、年に1度内視鏡検査を受けてくださることをお勧めしています。
●下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡検査)
直径12mmのスコープを肛門から入れ、回盲部(小腸と大腸のつなぎめ)、上行結腸、横行結腸、下行結腸、直腸、肛門を観察します。これにより、炎症、憩室、ポリープ、癌を診断します。ポリープや、早期の癌であれば可能であればその場で切除できます。
下部内視鏡検査は超の中を空っぽにしておかなければ、正しい検査はできません。よって下剤を内服していただく必要があり、このことが検査を受ける際に苦痛となるケースもあります。
検査自体は他施設では空気を入れて検査を行う場合がありますが、当院では可能であれば鎮痛剤を使用し、微温湯を注入しながらスコープを盲腸部分まで進めるため、スコープを挿入する時の痛みが空気のみと比べ格段に軽度です。
下痢や便秘を繰り返す、腹痛がある、便に血が混じっているなどの症状のある方はもちろん、症状の無い方も年に1度の内視鏡検査を受けてくださることをお勧めしています。
(内視鏡検査の詳細については内視鏡室のページへ)
超音波検査装置

超音波検査装置では、肝臓 ・ 胆嚢 ・ 膵臓 ・ 腎臓他の腹部臓器や甲状腺 ・ 乳腺 ・ 皮下腫瘤といった体表臓器の異常 (腫瘍・炎症など)の有無を調べることが可能です。
カラードップラー装置の付いたエコー設備で心臓や腫瘍を中心に血流情報からの精密検査も行っています。
検査前は基本的に絶食が望ましいのですが、検査対象となる臓器 ・ 目的によっては食事が可能になることもございます。
腹部超音波検査
腹部エコーは、体表から超音波を当て音波の反射 (エコー) によって肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などの腹部の様々な臓器を写し出す検査設備です。
腹部エコーでは臓器の腫瘍や隆起性病変 ・ 腫瘤性病変 ・ 炎症性病変などの診断を行います。
その際の注意点としまして、検査前日の夜間の絶食が挙げられます。また、膀胱や前立腺、子宮、卵巣の検査の場合は、検査の1〜2時間前から、排尿をせずに、膀胱に尿を溜めていただく必要があります。
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心臓超音波検査
心臓超音波検査は、別名 「心エコー図検査」 とも呼ばれ、心臓の形態診断、心筋や弁などの動きを体の外部から観察し、心臓の機能を評価する検査です。 また、カラードップラー法 (特別な超音波機器が必要) を使用することで、心臓内の血流の方向や速度、流量を観察し、弁膜症や先天性心疾患 ( 心房中隔欠損症、心室中隔欠損症など ) の有無、病態の程度を評価できます。
心臓超音波検査では、以下のような心臓疾患の病態による情報を得ることができます。
- 高血圧症による、左室肥大 ( 心臓の中にある左心室を取り巻く心筋が、血圧などの負荷を掛けられることで太くなる ) 。
- 心筋梗塞による、梗塞が起こった場所の心筋の動き。
- 僧帽弁狭窄症といった弁膜症による、弁の硬化や左心房の肥大。心嚢液の貯蓄 ( 心臓の周囲にある心膜に水分が溜まる ) の有無や程度。
- 拡張型心筋症による、心臓の壁運動の低下。
心臓超音波検査は、一般的に胸壁の上から心臓の様子を観察しますが、それとは別に超音波探触子を胃カメラの要領で飲み込み、心臓の背後にある食道から、心臓の様子を観察する経食道心エコー図の検査があります。
また、超音波探触子が付いたカテーテル ( 管 ) を血管に入れて、血管壁の動脈硬化の状態を観察する、血管内エコー図での検査もあります。
しかし、経食道心エコー図や血管内エコー図は、現在では一般的な検査として行われていないのが現状です。
血圧脈波検査装置
血圧脈波検査装置とは、「脈波 (※) 」を検査し把握することによって、血管の状態を知る装置です。
現在、食生活の欧米化などによって、粥状動脈硬化の増大が問題になっています。そのため動脈が硬化し、狭心症や心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症 ( ASO ) など重大な疾患に至る可能性もあります。
当院の血圧脈波検査装置では、動脈硬化の進行具合や心臓への負荷を検査することで、脳梗塞や心筋梗塞などの深刻な疾患の予防を行うことができます。
動脈硬化は、高血圧 ・ 高脂血症 ・ 糖尿病 ・ ストレス ・ 喫煙 ・ 肥満・足の冷感 ・ しびれなどから引き起こされるものです。ご心配な方は血圧脈波検査装置での検査をおすすめします。
※ 心臓が血液を全身に送り込むために収縮することで発生する脈動と、血が全身に行きわたる際、末梢や動脈の分岐点などで発生する脈動のこと。
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重心動揺計

重心動揺計は、直立姿勢に現れる身体の揺れを記録・解析して、体の平衡 ( バランス ) 機能を検査する装置です。
普段、私たちは体がどのようにバランスを取っているか、ということに気を配りません。しかし、人体は常に平衡感覚を保つ機能によって支えられています。
この機能は、耳の内部の前庭や半規管 ・ 体性感覚系 ・ 筋 ・ 腱深部受容器系 ・ 脳幹 ・ 小脳 ・ 大脳などの働きによって総合的に保たれています。これらの異常は、運動麻痺、知覚障害などの神経障害や直立歩行ができなくなったり、めまいを起こしたりという、平衡 ( バランス ) 障害を起こす大きな原因となるのです。
当院の重心動揺検査では、平衡維持に関与する内耳系、中枢神経系、脊髄反射系の機能検査をすると共に、これらの部位障害の因子、例えば動脈硬化や糖尿病のほか、メニエール病などの内耳疾患、脳循環障害などの中枢神経障害の早期発見を目的としています。
X線骨密度測定装置(GE社製PRODUGY-Primo-C)

X 線を用いて骨密度 ( 骨量 ) を測定し、骨粗鬆症などの代謝性骨疾患の診断や、経過観察を行う装置です。
整形外来において手首、腰椎、大腿骨頚部 ( 足の付け根部分 ) などを、ちょっとした転倒が誘引となり、骨折を起こし、来院される患者様をみます。その骨折の原因として重要なものの一つに骨粗鬆症があります。特に大腿骨頚部の骨折は、骨折して寝たきりになる人の急激な増加が懸念されており正確な骨密度測定による骨粗しょう症患者の早期発見、早期治療ならびに予防が必要とされています。
当院では最新鋭の密度測定装置を設置し、骨粗しょう症の診断、治療を行っていきます。検査部位は腰椎、大腿骨、前腕骨です。検査時間は、約10分以内で行えます。
測定結果は骨粗鬆症の診断、治療の必要性を判断する基準となります。